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遺言書の必要性|作成するメリット・あった方がよいケース
遺言書は、財産を誰にどのように引き継ぐかを明確にする法的文書です。
遺言書がない場合、相続人全員による遺産分割協議が必要となり、争いに発展することもあります。
特に、法定相続人以外へ財産を残したい場合や家族関係が複雑な場合には、遺言書の作成が重要です。
本記事では、作成するメリットと必要なケースを解説します。
遺言書を作成するメリット
遺言書を作成することで、自分の意思を明確に残し、相続を巡るトラブルを防ぎやすくなります。
財産の分け方を明確に指定できる
遺言書があれば、誰にどの財産を渡すかを具体的に指定できます。
遺言書がない場合は法定相続分が基準となりますが、遺言書を作成することで、自宅不動産は配偶者に、預貯金は子どもにといった柔軟な指定が可能です。
遺産分割方法をあらかじめ定めておくことで、相続人同士の話し合いが長引くリスクを軽減できます。
相続トラブルを防ぎやすい
遺言書によって被相続人の意思が明確になっていれば、誰がどの財産を取得するのかが分かるため、相続人間の争いを防ぎやすくなります。
特に公正証書遺言は、公証人が作成し、原本を公証役場で保管するため、改ざんや紛失のおそれがなく、形式不備による無効リスクも低い点がメリットです。
相続手続を円滑に進められる
遺言書がある場合、遺産分割協議を行わずに相続手続を進められるケースがあります。
公正証書遺言であれば家庭裁判所の検認手続も不要であり、相続開始後に速やかに遺言内容を実行できます。
相続人が多い場合や遠方に住んでいる場合でも、遺言書があることで手続負担を軽減しやすくなります。
推定相続人以外に財産を残したい場合
法定相続人以外の方に財産を残したい場合は、遺言書の作成が必要です。
法定相続人以外への遺贈ができる
民法第964条により、遺言書があれば法定相続人以外の方にも財産を遺贈できます。
たとえば、生前に世話になった友人や内縁の配偶者、介護施設、慈善団体などに財産を残すことが可能です。
遺言書がない場合の問題点
遺言書がない場合、法定相続人以外は財産を取得できません。
また、相続人全員の同意によって財産を渡すことは可能ですが、その場合は贈与税が発生する可能性があります。
そのため、法定相続人以外に財産を残したい場合は、遺言書で明確に意思表示しておくことが重要です。
遺留分への配慮
配偶者や子などには、法律上保障された最低限の取り分である遺留分があります。
遺言書による遺贈が遺留分を侵害する場合、後に遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
そのため、遺言内容を決める際は、遺留分とのバランスも考慮する必要があります。
相続人の廃除を行いたい場合
特定の相続人に相続させたくない場合には、遺言書で廃除の意思を示すことができます。
単に財産を渡したくないという理由だけでは認められませんが、一定の事情がある場合は相続権を失わせることが可能です。
相続人の廃除とは
民法第892条では、被相続人に対する虐待、重大な侮辱、著しい非行がある場合、家庭裁判所の審判により相続人を廃除できると定めています。
遺言書に廃除の意思を記載しておけば、相続開始後に遺言執行者が家庭裁判所へ申立てを行うことができます。
廃除が検討されるケース
たとえば、長年にわたる暴力や暴言、重大な金銭トラブル、遺産の使い込みなどがある場合は、廃除が認められる可能性があります。
一方で、単なる不仲や疎遠であることだけでは、廃除は認められません。
そのため、廃除を検討する場合は、客観的な証拠を残しておくことも重要です。
認知をしたい場合
婚姻関係にない相手との間に子どもがいる場合は、遺言によって認知を行うことができます。
認知を受けた子どもは、法定相続人として相続権を持つことになります。
遺言による認知が可能
民法第781条第2項では、遺言による認知を認めています。
遺言書に認知の意思を記載することで、遺言者の死亡後に認知の効力が生じます。
認知された子どもは、他の子どもと同等の法定相続分を持つことになります。
遺言執行者の指定が重要
遺言による認知を行う場合は、遺言執行者を指定しておくことが重要です。
遺言執行者は、就職の日から10日以内に認知の届出を行う必要があります。
家族関係が複雑な場合
再婚家庭や疎遠な親族がいる場合など、家族関係が複雑なケースでは、遺言書が特に重要となります。
相続人同士の関係が良好でない場合、遺産分割協議がまとまらず、紛争に発展する可能性が高くなります。
再婚家庭では相続関係が複雑になりやすい
再婚により前妻の子と現在の配偶者が共同相続人となる場合、それぞれの利害が対立することがあります。
遺言書がなければ、全員で遺産分割協議を行う必要があり、協議が難航する可能性があります。
そのため、遺言書で財産の分配方法を具体的に決めておくことが重要です。
遺言執行者を指定しておくメリット
複雑な家族関係では、遺言内容の実行に協力が得られないこともあります。
遺言執行者を指定しておけば、相続人の協力が得られなくても、遺言内容を実現しやすくなります。
遺言執行者には、弁護士や司法書士などの専門家を指定することも可能です。
まとめ
公正証書遺言は法的効力が強く、改ざんや紛失のリスクがない確実な遺言方式です。
推定相続人以外への遺贈、相続人の廃除、認知、複雑な家族関係における紛争防止など、自身の意思を確実に反映させたい場合に特に有効です。
遺言書の作成には法的要件があり、内容によっては遺留分への配慮も必要となります。
また、公正証書遺言の作成には、戸籍謄本や財産資料の収集、遺言内容の整理などの事前準備が欠かせません。
遺言書の内容や作成方法に不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談しながら進めることで、将来の紛争を防ぎやすくなります。